梅核気 ①
梅核気 耳穴医学 自律神経
喉に何か詰まっている…
それは「梅核気(ばいかくき)」かもしれません
飲み込もうとしても取れないような感じ。
病院で診てもらっても
「特に異常はありませんね」と言われ、
どうしていいか分からない――。
そんな喉の違和感に、長く悩んでいる方は少なくありません。
東洋医学では、この状態を「梅核気(ばいかくき)」と呼び、古くから治療の対象としてきました。
こんな感覚、ありませんか?
✓ 喉に梅の種やお餅が貼りついているような感じがする
✓ 飲み込もうとしても取れない。でも食事はふつうに通る
✓ つい咳払いを繰り返してしまう
✓ 緊張やストレスがあると、つかえ感が強くなる
✓ 仕事や趣味に集中しているときは、忘れていることが多い
✓ ため息やげっぷが多い
✓ 胸のあたりがつかえる、息が吸いにくいと感じる
✓ 耳鼻科や内科の検査で「異常なし」と言われた
いくつか当てはまる方は、梅核気の傾向があるかもしれません。
梅核気とは
「梅核」とは、梅の種のこと。
喉に梅の種が引っかかっているような感覚が続くことから、この名前がつきました。
実は、およそ1800年前の中国の医学書にも、同じような症状が記されています。それだけ昔から、多くの人が悩んできた症状なのです。
西洋医学では、「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」や「ヒステリー球」と呼ばれます。
ひとことメモ
「ヒステリー」という言葉がついていますが、性格の問題や、女性だけの病気という意味ではありません。
古い名残の呼び方で、現在は性別に関係なく起こる症状として扱われています。
「気のせい」ではありません
検査で異常が見つからないと、「気にしすぎでは?」と言われてしまうことがあります。
でも、喉の違和感は実際に感じている不快な感覚です。
緊張やストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れ、喉まわりの筋肉がこわばりやすくなります。また、胃酸が喉のほうへ上がってくること(逆流)が関係している場合もあります。
「形に見える異常」がなくても、身体の働きのバランスが乱れていることで、喉の違和感は起こりうるのです。
女性だけの悩みではありません
梅核気は女性に多いといわれますが、男性にも決して珍しくありません。
仕事の責任、言いたいことを飲み込む場面、休めない毎日――。
男性の場合、「こんなことで病院に行くのは…」と、誰にも相談せずに我慢している方も多い印象です。
喉の違和感は、身体からの大切なサインのひとつ。性別や年齢に関係なく、きちんと向き合ってよい症状です。
まずは病院で確認してほしいこと
喉の違和感の中には、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
次のような症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
- 食べ物が喉につかえる、飲み込むと痛む
- 体重が減ってきた
- 声がれが2週間以上続いている
- 首にしこりや腫れがある
- 痰に血が混じる
- 違和感がいつも片側だけにある
内視鏡などの検査で「異常なし」と確認できることは、それ自体が大切な安心材料です。
当院でも、病院での検査を受けていただいた上で、鍼灸をご検討いただくことをおすすめしています。
「異常なし」のその先に
「異常はないけれど、つらさは続いている」
そんなときに役立つのが、東洋医学の視点です。
東洋医学では、喉の違和感を喉だけの問題とは考えず、身体全体の巡りの乱れとして捉えます。
だからこそ、検査では見えにくい不調にもアプローチできる余地があるのです。
▶ 次回予告
次回は、東洋医学で梅核気がどのように起こると考えるのかを解説します。
キーワードは「気」と「痰(たん)」。ストレスと胃腸の不調が、なぜ喉のつかえにつながるのか、わかりやすくお伝えします。
