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東洋医学で考える花粉症のメカニズム

自律神経 花粉症

東洋医学で考える花粉症のメカニズム

 

花粉症シリーズ第2回です。

 

前回は「薬だけでは根本的な解決にならない」というお話をしました。

 

今回は、東洋医学が花粉症をどのように捉えているのか、その考え方をお伝えします。

 

少し聞きなれない言葉が出てきますが、できるだけ分かりやすくお話しますね。

 

 

花粉は「敵」ではなく「きっかけ」

 

西洋医学では、花粉をアレルゲン(原因物質)として捉えます。花粉が体内に入り、免疫が過剰に反応することで症状が出る、という考え方です。

 

一方、東洋医学では花粉そのものを「敵」とは考えません。

 

花粉に反応してしまう「身体の状態」に注目します。

 

同じ環境でも花粉症になる人とならない人がいるのは、体質や身体のバランスに違いがあるからです。

 

東洋医学では、この違いを「肺」「脾」「肝」という3つの臓腑の働きから説明します。

 

 

花粉症の3段階メカニズム

 

ステップ1:肺の働きが弱まる(バリア機能の低下)

 

東洋医学でいう「肺」は、呼吸だけでなく、身体の表面を守る防御機能を担っています。

 

この防御機能を「衛気(えき)」と呼びます。

 

衛気は、いわば身体の「バリア」。皮膚や粘膜の表面で、外からの邪気(花粉や冷気など)の侵入を防ぐ役割をしています。

 

肺の働きが弱まると、この衛気が十分に巡らなくなり、花粉などの外邪が簡単に身体の中に入り込んでしまいます。

 

「肺は鼻に開竅する(かいきょうする)」

 

東洋医学にはこのような言葉があります。

 

肺の不調は、真っ先に「鼻」の症状として現れる、という意味です。

 

鼻水、鼻づまり、くしゃみ――花粉症の代表的な症状は、まさに肺の衛気不足のサインです。

 

ステップ2:脾の機能低下(水分代謝の乱れ)

 

「脾」は消化吸収を担う臓腑です。食べ物から栄養を取り込み、エネルギーに変えて全身に送り届ける働きをしています。

 

実は、肺の衛気を作るためには、脾がしっかり働いて栄養を生み出す必要があります。

 

東洋医学では「脾は肺の母」という関係性があり、脾が弱れば肺も弱まるのです。

 

脾の働きが低下すると、もう一つ大きな問題が起こります。

 

体内に余分な水分が溜まりやすくなる。

 

これを東洋医学では「痰湿(たんしつ)」と呼びます。

 

止めどなく流れる鼻水、重だるい頭、むくみ――これらは体内の水分代謝が滞っているサインです。

 

花粉症で鼻水が大量に出るのは、単に花粉への反応だけでなく、もともと身体に余分な水分が溜まりやすい体質が背景にあるケースが多いのです。

 

ステップ3:肝の高ぶり(自律神経の過敏)

 

春は東洋医学で「肝」の季節とされています。

 

肝は「気の流れ」を全身にスムーズに巡らせる役割を持ち、自律神経の調整にも深く関わっています。

 

春になると肝の気が活発になりすぎて(肝気の高ぶり)、自律神経が過敏な状態になりやすくなります。

 

花粉に対するアレルギー反応が過剰になるのは、この自律神経の過敏さが大きく影響しています。

 

目のかゆみ、充血、頭痛、イライラ――これらは肝の気が上に昇りすぎた状態のサインです。

 

また、肝の高ぶりは脾の働きにも悪影響を与えます。

 

ストレスで胃腸の調子が悪くなるのと同じ仕組みです。

 

肝が高ぶると脾が弱まり、さらに水分代謝が悪化する、という悪循環が生まれます。

 

 

3つのポイントを整理すると

 

肺の衛気不足 → 身体のバリアが弱まり、花粉が侵入しやすくなる

 

脾の機能低下 → 水分代謝が乱れ、鼻水や痰が過剰に生産される

 

肝の高ぶり → 自律神経が過敏になり、アレルギー反応が増幅される

 

この3つが重なり合うことで、花粉症の症状は強く出やすくなります。

 

逆に言えば、この3つのバランスを整えることができれば、花粉に反応しにくい身体に近づけるということです。

 

「体質改善」とは、この3つを整えること

 

花粉症の体質改善というと漠然としたイメージを持たれるかもしれません。

 

しかし東洋医学では、「肺」「脾」「肝」という具体的なポイントがあります。

 

肺の衛気を高め、脾の消化力を回復させ、肝の過敏な反応を落ち着かせる。

 

この3つに同時にアプローチできるのが、鍼灸治療の強みです。

 

次回予告

次回の第3回では、当院が実際にどのような鍼灸治療を行っているのか、具体的にお伝えします。

董氏奇穴、耳ツボ、井穴刺絡――聞きなれない言葉かもしれませんが、分かりやすくご説明します。