耳鳴り・難聴・聴力減退 ① その耳鳴り、「年のせい」とあきらめていませんか
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その耳鳴り、「年のせい」とあきらめていませんか
耳鳴り・難聴・聴力減退の基本を知る
「キーン」「ジー」という音が、ずっと耳の奥で鳴っている。
静かな夜ほど気になって、なかなか眠れない。
最近、家族に「テレビの音が大きい」と言われるようになった。
病院で「年齢的なものですね」と言われ、このまま付き合っていくしかないと感じている方も多いのではないでしょうか。
このシリーズでは全4回にわたって、耳鳴り・難聴・聴力減退について、西洋医学と東洋医学の両方の視点からお伝えしていきます。
第1回の今回は、まず「耳の不調」の基本と、すぐに病院へ行くべきサインについてお話しします。
耳の不調には3つのかたちがあります
「耳が悪い」とひとことで言っても、実はいくつかのかたちがあります。このシリーズでは、次の3つに分けて考えていきます。
① 耳鳴り――ないはずの音が聞こえる
周りで音がしていないのに、耳や頭の中で音が聞こえる状態です。聞こえ方は人によってさまざまです。
● キーン、ピーという高い金属音
● ジー、ミーンというセミのような音
● ボー、ゴーという低くこもった音
● ザーという砂嵐のような音
一時的なものから、何年も続くものまであります。
② 難聴――急に、またははっきりと聞こえにくくなる
聞こえる力が落ちている状態です。なかでも注意が必要なのは、ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなるケース。
「突発性難聴」と呼ばれ、早く治療を始めるほど回復しやすいとされています。
③ 聴力減退――年単位でゆっくり聞こえにくくなる
何年もかけて、少しずつ聞こえが落ちていく状態です。ゆっくり進むため、ご本人よりも先にご家族が気づくことも少なくありません。
「難聴」と言われるとピンとこなくても、「最近、聞き返しが増えたな」という方は多いはずです。
このシリーズでは、こうした「聞こえにくさ」も大切なテーマとして扱います。
耳鳴りと聞こえにくさは、つながっています、耳鳴りは、決して珍しい症状ではありません。
2022年に発表された世界規模の研究のまとめでは、大人のおよそ7人に1人が何らかの耳鳴りを経験していると報告されています。
そして、耳鳴りがある方の多くは、聞こえる力が少し落ちていることがわかっています。
聞こえが落ちると、脳は「足りない音」を補おうとして、耳の神経の働きを強めます。その結果、本来は聞こえないはずの音が「耳鳴り」として感じられる――そう考えられています。
つまり、耳鳴りは「聞こえのサイン」でもあるのです。
一方で、聴力検査では異常がないのに耳鳴りがある方もいらっしゃいます。この場合は、ストレスや疲れ、首や肩の緊張などが関わっていることも多いです。
耳鳴りチェック
✓ 静かな場所や夜になると、耳の音が気になる
✓ 耳鳴りのせいで寝つきが悪い、夜中に目が覚める
✓ 疲れたときやストレスがかかると、音が大きくなる
✓ 耳が詰まったような感じがある
✓ 肩や首のこり、側頭部(こめかみ周り)の頭痛がある
聞こえにくさチェック
✓ 会話で聞き返すことが増えた
✓ 家族に「テレビの音が大きい」と言われる
✓ 騒がしい場所(お店や集まり)で会話が聞き取りにくい
✓ 高い声(女性や子どもの声)が聞き取りにくい
✓ 体温計や電子レンジの「ピピッ」という音に気づきにくい
✓ 話の内容を聞き間違えて、ちぐはぐになることがある
聞こえにくさのチェックで当てはまるものが多い場合は、一度、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてみてください。今の状態を数字で知っておくことは、とても大切です。
すぐに耳鼻咽喉科へ行ってほしいサイン
耳の不調の中には、早く病院で治療を受けることが何より大切なものがあります。次のような場合は、鍼灸より先に、まず耳鼻咽喉科を受診してください。
こんなときは、まず病院へ
・ある日突然、片耳が聞こえにくくなった(突発性難聴の可能性。発症から早いほど治療効果が期待できます)
・片方の耳だけに耳鳴りや聞こえにくさが続いている
・ぐるぐる回るめまいや吐き気を伴う
・脈に合わせて「ドクドク」と鳴る耳鳴りがある
・顔のしびれやゆがみ、ふらつき、ろれつが回らないなどの症状がある
・耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う
特に突発性難聴は時間との勝負です。「様子を見よう」と思わず、できるだけ早く受診してください。
当院でも、こうしたサインがある方には、まず病院での検査・治療をおすすめしています。そのうえで、病院の治療と鍼灸を併用することは可能です。
「年のせい」で終わらせないために検査を受けて、大きな病気がないとわかった。でも、耳鳴りは続いているし、聞こえにくさも気になる、そんなとき、「年のせいだから仕方ない」とあきらめてしまう方は少なくありません。確かに、加齢による変化をすっかり元に戻すことは難しいものです。
けれども、
● 耳鳴りの気になり方がやわらぐ
● 夜、眠れるようになる
● 今ある聞こえを保ち、進行をゆるやかにするといった変化は、目指せることがあります。
東洋医学では、耳の不調を「耳だけの問題」とは考えません。身体全体のバランスの乱れが耳に表れている、と捉えます。だからこそ、耳以外の場所からもアプローチできるのです。
▶ 次回予告
次回は、東洋医学で耳鳴り・聞こえにくさをどう考えるかをお話しします。
「ストレスで耳鳴りが強くなる人」と「疲れると聞こえが落ちる人」。同じ耳の不調でも、根っこはまったく違います。あなたはどちらのタイプか、チェックしてみてください。
