梅核気③ 鍼灸でアプローチする
井穴刺絡 耳穴医学 自律神経 梅核気
鍼灸で梅核気にアプローチする
喉に刺さない、手足と耳からの治療
「喉の違和感に、鍼灸ってどうするんですか?」
「まさか、喉に鍼を刺すんですか…?」
ご安心ください。
当院では、喉に直接鍼を刺すことはありません。
前回お話しした「気の滞り」と「痰」をほどくために、手足と耳のツボを中心に使います。
今回は、当院の梅核気への治療についてご紹介します。
当院の治療の3つの柱
① 董氏奇穴――手足から喉を整える
台湾で発展し世界基準の特殊なツボの体系です。
最大の特徴は、症状のある場所から離れた手足のツボを使うこと。喉の違和感であっても、手や足のツボから気の流れを整えていきます。
少ない本数で効果を引き出すことを得意とし、身体への負担が少ないのも特徴です。
施術中に「あれ、喉が少し楽かも」と、その場で変化を感じられる方もいらっしゃいます。
② 耳ツボ――来院していない間も持続ケア
耳には、全身とつながるツボが集まっています。
施術後、耳のツボに「王不留行(おうふるぎょう)」という植物の種のついた小さなシールを貼ります。
シールは数日間貼ったままにしておき、ご自身で押していただくことで、次の来院まで刺激を持続できます。
梅核気と耳ツボの相性
梅核気のつかえ感は、ふとしたときに気になり始めるもの。
そんなとき、その場で耳を押してケアできるのが耳ツボの大きな利点です。
「気になったら押す」というひと手間が、症状との付き合い方を変えてくれます。
③ 井穴刺絡(せいけつしらく)――緊張をゆるめる
手足の指先にある「井穴(せいけつ)」というツボから、ごく少量の血を出す方法です。
自律神経のバランスを整えることを目的としており、緊張が強く、気の滞りが目立つ方に用いることがあります。
状態に応じて取り入れるもので、すべての方に行うわけではありません。
施術の流れ
1.お話をうかがう
いつから、どんなときに違和感が強くなるか、胃腸の調子や睡眠、病院での検査結果などをうかがいます。
2.東洋医学的な診察
舌の色や形を見る「舌診」などから、気の滞り・痰・胃の状態など、あなたの梅核気のタイプを見極めます。
3.施術
手足のツボを中心に、状態に合わせて刺激量を調整しながら施術します。服を大きく脱ぐ必要はほとんどありません。
4.耳ツボシールとセルフケアのご説明
耳ツボシールを貼り、押し方や、日常でできるケアをお伝えします。
病院の治療と「併用」できます
梅核気で病院にかかっている方は、次のようなお薬を処方されていることがあります。
- 半夏厚朴湯などの漢方薬
- 胃酸を抑える薬(逆流が疑われる場合)
- 不安や緊張をやわらげる薬
鍼灸は、これらの治療と並行して受けていただけます。
病院の治療は「原因の確認と、薬による調整」。鍼灸は「身体全体の巡りを整え、薬だけでは届きにくい部分を後押しする」。
対立ではなく、併用という考え方です。
お薬の量を減らしたい、やめたいという場合は、自己判断で中止せず、必ず主治医にご相談ください。
▶ 次回予告
最終回では、今日からご自身でできるセルフケアをご紹介します。
あわせて、梅核気にまつわるよくある誤解とよくあるご質問もまとめてお届けします。
