女性の頻尿③
頻尿 井穴刺絡 耳穴医学 自律神経
鍼灸で頻尿にアプローチする
─ 当院の治療の考え方と3つの特徴
前回の記事では、
東洋医学から見た頻尿のメカニズムとして
「腎の力の低下」「気の滞り」「水分代謝の乱れ」
の3つをご紹介しました。
今回は、当院ではこの考え方に基づいて
どのような鍼灸治療を行っているのか、
具体的にお伝えします。
「鍼灸で頻尿が良くなるの?」
と疑問に思われる方も多いかもしれません。
その疑問にお答えしながら、
治療の流れと特徴をご説明します。
なぜ鍼灸が頻尿に有効なのか
頻尿の治療というと、薬を飲むか、
骨盤底筋体操をするかというイメージが強いかもしれません。
しかし、前回お伝えしたように、
頻尿の背景には自律神経の乱れ、
冷え、ストレス、全身のエネルギー不足など、
さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
鍼灸は、ツボへの刺激を通じて自律神経のバランスを整え、血流を改善し、
身体全体の調整力を引き出す治療法です。
膀胱だけでなく、頻尿を引き起こしている「身体の土台」にアプローチできるのが大きな特徴です。
当院の治療 ─ 3つの柱
❶ 董氏奇穴(とうしきけつ)
── 少ない鍼で高い効果
当院の治療の主軸となるのが、
「董氏奇穴」という特別なツボの体系です。
董氏奇穴の特徴は、
一般的な鍼灸とは異なる独自のツボを使うこと。
少ない本数の鍼で、身体の深い部分に働きかけることができます。
頻尿の治療では、主に手や足のツボを使います。
お腹や腰に直接鍼を刺すことは基本的にありません。デリケートな症状だからこそ、
「患部から離れたツボで治療する」
という遠隔治療のスタイルが安心していただけるポイントです。
❷ 黄氏耳穴(耳ツボ)
── 来院の間もケアが続く
治療後、耳のツボに小さな粒(王不留行シール)を貼付します。
耳には全身の臓器と対応するツボが集中しており、
膀胱や腎、自律神経に関わるポイントを刺激することで、治療の効果を次回来院まで持続させることができます。
ご自身でそっと押すだけでセルフケアにもなるので、日常生活の中で継続的にケアができます。
❸ 井穴刺絡(せいけつしらく)
── 自律神経を整える
指先にある「井穴(せいけつ)」というツボから、
ごく微量の血を出す施術です。
自律神経のバランスを整える効果が高く、膀胱が過敏になっている状態を鎮めるのに有効です。
「血を出す」と聞くと驚かれるかもしれませんが、
採血よりもはるかに少量で、痛みもわずかです。
自律神経の乱れが頻尿に関わっていると判断した場合に、状態を見ながら取り入れることがあります。
治療の流れ
① 問診・東洋医学的診察
まず、頻尿の症状について詳しくお話を伺います。
排尿の回数や時間帯だけでなく、
生活習慣、ストレスの状況、冷えの有無、
睡眠の状態なども確認します。
さらに、舌の状態を観察する
「舌診(ぜっしん)」などの東洋医学的な診察を行い、身体全体のバランスを把握します。
② 施術
診察の結果をもとに、使用するツボと施術方法を決めます。
董氏奇穴を中心に、耳穴治療や井穴刺絡を組み合わせて、その日の状態に最適な施術を行います。
施術時間は全体で45〜60分程度が目安です。
リラックスした状態で受けていただけます。
③ 耳ツボの貼付とセルフケアのご案内
施術後に耳ツボシールを貼付し、ご自宅でのセルフケア方法をお伝えします。
日常生活で気をつけていただきたいポイント(冷え対策、水分摂取のコツなど)もご案内します。
「恥ずかしい」と感じる方へ
頻尿は、人に相談しにくい症状の一つです。
「こんなことで鍼灸院に行っていいのだろうか」
と迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してください。
頻尿は鍼灸院で非常に多い相談内容の一つです。
当院では、お腹や下半身を露出する必要はありません。手足と耳のツボを中心に施術を行いますので、
衣服を着たまま治療を受けていただけます。
施術中にトイレに行きたくなった場合も、遠慮なくお申し付けください。
病院治療との併用について
当院では、病院の治療を否定する立場を取っていません。
泌尿器科で処方された薬を服用しながら、鍼灸治療を並行して受けていただくことが可能です。
薬で膀胱の症状を抑えつつ、鍼灸で身体全体のバランスを整える——。
この併用のアプローチを選ばれる方が増えています。
まとめ
当院の頻尿治療は、
董氏奇穴・耳穴治療・井穴刺絡の3つを軸に、
身体全体のバランスから頻尿にアプローチします。患部に直接触れない治療スタイルなので、
デリケートな症状でも安心して受けていただけます。
次の記事では、
日常生活で実践できる頻尿対策のセルフケアと、
よくあるご質問をまとめてご紹介します。
▶ 次の記事
【女性の頻尿④】自分でできる頻尿対策と、
よくあるご質問 ─ 日常のケアから鍼灸院の選び方まで
